娘にいいかなと思って最近購入した「道ばたの四季」:福音館書店
いつもはその時気になった草花を一緒に乗せているのだけど、今日はこの絵本を見て思い出した、私自身のことを書こうと思う。ちょうどこのブログも絵本も、草花(木)がテーマだからいいかな…と。
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トップに載せたのは1ページ目。
このページの言葉と絵を見ただけで、散歩好きな私はなんだかわくわく。
散歩しながらふと空を見上げたり、道ばたの小さな草花を見つけることが昔も今も大好きな私。子どもが生まれたら、ゆっくり一緒にお散歩するんだ♪…と思っていた。
甘かった。
一緒に散歩どころじゃなくて、必死で追いかけることになろうとは。
あ、ここにたんぽぽが咲いてるよ。と私がいっても。
ふーん。
…興味なしとは。
まぁ、流石に5歳過ぎたあたりから私の話も聞いてくれるようになってきたから、少しのんびりできるようになったんだけど。
「たちどまってごらん、しゃがんでごらん。」
「きっとたくさんのしぜんがみえてくるから。」
今住んでいるところはあまり自然が豊かな場所では無いけれど、子どもたちが目線をいろいろなところに向けて、小さな自然の力を愛おしいと感じてくれますように。
時間に追われて伝えたいけど伝えられていなかったメッセージが、この絵本でやっと伝えられたな、と感慨深く今もこのページを眺めている。
ということまででも、この絵本が私にとって特別なものになるには十分だけど、もう少し先がある。しかもとんでもない方向に行く。
実は幼稚園児の頃から、ぼんやり可愛らしい抽象画より写真みたいにきっちり描かれた絵が好きで、それ以外はむしろ嫌悪感がすごくて見れないくらいのこだわりがあった。園児の頃からキャラものを受け付けなくて、身の回りに置きたくなかったくらい。
例えば・・・「クマの子ウーフ」は絵が苦手で、家にあったのに決して読むことはなかった。でも漫画は平気というなんの基準かわからない、私のこだわり。
小学1年生の頃だったか。
国語の教科書に白うさぎのはなしが載っていて、その白うさぎの挿絵がふわふわで本物そっくりで大好きだったし、自分もそんな風に描きたいと強く思っていた。毎日絵を描いていた。
小学2年生の頃には動物図鑑のペンギンを模写して、褒めて欲しくて家族に見せたんだけど「(図鑑に紙を乗せて)写したんでしょ」と言われて号泣した。
自分で描いた絵を年賀状で送ったのだったけど、スタンプなの?と聞かれて、かいたよと言ったら何か不穏な雰囲気になったこともあった。信じてもらえてなかったな。笑
小学4年生ごろに「シートン動物記」のはなしとその挿絵にかなりはまって、ある巻が在庫切れなので「他の出版社にするか」と聞かれたけど、やっぱりこの挿絵がよくて取り寄せてもらった。
子供から大人になる中で、キャラものに対する嫌悪感は和らいでいった(もしくは馴れた??あまりに目にするから抑圧した??)し、今は絵本というと可愛らしいキャラクターが立ったものが多くて、出産後はもう何が何やらという感じで子供が喜びそうな絵本をひたすら読んできた。
あれだけ好きだったのに、広告の裏に「絵を描くこと」からもすっかり離れてしまった。
なんで私続けられなかったんだろう。いまでもこんなに好きなのに。
「道ばたの四季」を読んだら、
やっぱり私はこういう絵が見たいし、手元に置きたいし、こういう絵が書きたいんだ、っていう気持ちがむくむくと湧いてきた。
可愛い絵も好きなんだけど、それはベタ塗りされた「大人が子どもっぽく描いたヘタウマな絵」ではなくて、線はシンプルだけどしっかり肉体を感じさせる絵がいい。やっぱり、私の本当の感覚は麻痺させて生きてきたのかもしれない。
ネットのイラストを手本にこんな絵を描いてみた。こういう絵を描くのは20年ぶり。
とても集中したし気持ち良い時間だった。
そしてその気持ち良さを感じれば感じるほど、なんで私はやめてしまったんだろうかという疑問に戻ってきてしまう。
大人になってからみれば普通の趣味の絵だけど、小学低学年でこういう絵がかけていたのは、今考えれば早熟だったのではないかと思う。高学年の頃の絵はむしろもっと上手だったかもしれない。
中学校で美術の先生に学年で一人だけ「great」だか「excellent」をもらったことがある。それを聞いて違うクラスの子が見に来たこともあった。(先生は学年で一人ということを私のクラスでは話していなくて、なぜか他のクラスでだけ話したことのようだった)
あのままなんの迷いもなく、つづけていたら。
好きなことでなんて食べていけない、と小学生の頃から言われていたけど、将来何になるとか関係なく自分のために描いていいんだよって昔の私に言いたいな。
昔は親の許可や学校の評価を気にして描いていた。
描かなくなって、子供が生まれたらまた子に望まれるものを描いた。
それはそれで喜んでくれるからとても嬉しかったけど、短時間で単純な線を求められるから、自分が納得する出来ではなくて、楽しいというのとは少し違ったから。
これからは何も気にせず自分の為に、ただ描けるだろうか。
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